高齢者骨折に対する私の治療法
骨粗鬆症に伴う下肢の骨折 大腿骨頸部・転子部 Hansson Twin Hook Systemを用いたcompression hip screw法による高齢者大腿骨頸部骨折の治療経験
最上 敦彦
1
,
金子 和夫
,
岩瀬 秀明
1順天堂大学医学部附属静岡病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
内固定法
,
骨ねじ
,
大腿骨頸部骨折
Keyword:
Bone Screws
,
Femoral Neck Fractures
,
Fracture Fixation, Internal
,
Radiography
pp.157-163
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2008055160
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Hansson Twin Hook System(HTHS)+cannulated cancellous hip screw(CCHS)で加療した65歳以上の高齢者の大腿骨頸部骨折(頸部骨折)30例を対象とし臨床成績について検討した。Garden分類stage(GS)はI:1例、II:7例、III:12例、IV:10例であった。GS I・IIの安定型骨折例8例は、早期死亡2例を除いた6例全例で骨癒合が得られた。一方、GS III・IVの転位型骨折例22例は、早期死亡2例を除いた20例においてGS IIIの1例に感染を生じ抜釘を行い、またGS IVの1例に早期骨頭脱転を生じ人工骨頭置換術による再手術を施行したが、最終的骨癒合率は90%と良好であった。しかし、GS IVの2例にて骨癒合が得られたもののlate segmental collapse(LSC)が発症し、人工骨頭置換術THAの再手術を施行したため、転位型骨折の再手術率は20%であった。全30例中11例で術中骨頭穿破の危険性からTHのフック全長31mmを出すことはできなかったが、術中ならびに術後において、フックが関節軟骨面を越えて骨頭穿破をきたしインピンジメントをきたした症例は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007