発行日 2002年4月25日
Published Date 2002/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2002198364
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石黒法による骨性mallet finger治療の工夫について報告した.対象は,本新鮮例8例(男性7例,女性1例・平均年齢25.6歳)であった.全例で骨片の転位軽減に有効で,X線像では関節面のstep offはすべて0.5mm以下であった.手術手技は,患指の遠位指節間(DIP)関節末梢から中節骨基部にかけ正中線をマークし,イメージ透視下にDIP関節を最大屈曲位に保持して,骨片の約1mm背側の中節骨骨軸と骨頭関節面背側縁との中央部から中節骨基部掌側方向にK-wireを刺入した.大きな正三角形の骨片の整復には注射針を用いた補助整復法を行って,K-wireを末節骨基部側方から刺入しDIP関節を固定した.術後4週でK-wireを抜去し,DIP関節の他動進展運動は拘縮が解除された感触まで確実に行った.DIP関節の軽度屈曲位(20~30°)での固定は,術後の自動進展運動にも有利で適切な固定肢位と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2002