発行日 2002年4月25日
Published Date 2002/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2002198362
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髄内釘固定法による中手骨骨折の治療成績を報告した.対象は,過去6年間の頸部骨折21例25骨折,骨幹部骨折25例28骨折の計46例53骨折(男性40例45骨折,女性6例8骨折・平均年齢28.1歳)であった.骨癒合完成は術後4~10(平均7.0)週で,成績評価は40例が優,6例が良であった.手術方法は,イメージ透視下に整復確認後,中手骨近位背側に縦皮切を加え,骨皮質にK-wireで骨孔を作製し,先端が鈍で軽度の彎曲をつけた細いK-wire2,3本を骨孔より可能な限り軟骨下骨まで挿入した.伸筋腱の滑走の妨げとならないように骨孔付近でK-wireを短く切断し,近位端を被覆するように骨膜を縫合した.術後3日間の包帯固定と3~23日の副子固定後に関節可動域訓練を開始した.K-wireによる髄内釘固定法は,低侵襲でかつ比較的容易な手技で行えて,早期の骨癒合と良好な関節可動域が得られ,本骨折に対して有効な治療法であると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2002