発行日 2002年4月25日
Published Date 2002/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2002198363
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経皮的髄内固定法による手指骨骨折の治療について報告した.対象は,本法を施行した83例84骨折(男性75例76骨折,女性8例8骨折・平均年齢36.8歳)であった.閉鎖骨折では骨癒合,可動域ともに良好であった.開放骨折などの症例では,軽度の可動域制限や疼痛の残存を認めた.手術手技は,腋窩神経または腕神経叢ブロック後,イメージ透視下に徒手整復を行い,ドリルでK-wireを経皮的に中枢骨片の関節外背側側面より斜方向に刺入後,抜去して刺入口とした.同サイズのK-wireの先端を加工し,全体にゆるい彎曲をつけ,助手に整復位を保持させ,末梢骨片の軟骨下骨まで刺入し,同様操作を反対側にも行い,2本のK-wireがX字状となるように固定した.固定性が良好であれば外固定はせず,翌日から自動運動を開始している.本法は手技が容易,特別な器具も不用,早期の治療も可能,低侵襲で骨癒合過程にも適合し,徒手的に良好な整復位が得られる手指骨骨折の治療に有用と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2002