発行日 2008年1月1日
Published Date 2008/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008091682
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保存的治療を行った第5中手骨骨折のうち、頸部骨折:44例、骨幹部骨折:12例について整復前後の変形の推移を調査した。ギプス固定後の掌屈変形(変形)矯正には、背側開窓による徒手整復を行った。頸部骨折は9~74歳(平均26.6歳)で、うち29例が20歳以下であった。男女比は男性:41例、女性:3例であった。骨幹部骨折は15~76歳(平均36.6歳)で、うち3例が20歳以下であった。男女比は男性:8例、女性:4例であった。頸部骨折治療後の遺残変形は全例50°以内であったが、初診時の変形が40°以下の35例では、固定期間中に変形の増大が15例にみられた。骨幹部骨折のうち2例は治療後も30°以上の変形を残し、手背部の隆起と共に環指の軽度伸展障害とナックルの陥凹を示した。第5中手骨骨折は青少年に多く、頸部骨折は60°未満の変形、骨幹部骨折は30°未満の変形を指標に保存的治療を選択することで患者の整容的満足と良好な機能性が得られると思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008