発行日 2002年4月25日
Published Date 2002/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2002196307
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大腿骨転子部骨折の観血的整復内固定術の工夫について報告した.対象は,本法施行の45例46肢(男性8例8肢,女性37例38肢・平均年齢81歳)であった.全例で骨癒合が得られ,カットアウトや内反変形は認めなかった.手術手技は,転子部から転子下に及ぶ骨折やtype 2の逆斜骨折などは骨膜,軟部組織を温存し,骨折部の血腫を除きすぎずに細いK-wireで仮固定した.type1やgroup3,4などでは前内側の皮質骨部分の整復が重要で,下肢を外旋して前方の皮質骨のかみ合わせをはずし,骨折部を指先で触れ転位の状態を把握した.落ち込んだ骨片を単鈍鉤で引き上げ整復し,下肢の外旋を戻し鉗子やK-wireで仮固定し,その後にガイドワイヤーを刺入しリーミングしてCHSで内固定した.また,前後像での骨折線の位置をopen reductionのし易さの指標とし,側面像での転位を粉砕,不安定性の指標として大腿骨転子部骨折の分類を考案した.これは術後の整復状態の評価にも使用できると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2002