発行日 2007年9月20日
Published Date 2007/9/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2007344956
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本研究の目的は、がん患者のケアを担う日本の看護師のケアリング行動を定量的に測定する質問紙を作成することである。がん看護において高い臨床能力を有すると所属施設より推薦を受けた看護師8名に半構造化面接を行い、得られたデータをラーソンが1984年に開発した「The Caring Assessment Report Evaluation Q-sort」を参考に、質的手法を用いて分析した。内容妥当性を高めるために、プレテストおよびがん看護専門看護師のスーパービジョンを受けて検討し、5段階のリッカートスケールの質問紙を作成した。次いで、その質問紙を用いてがん専門病院の看護師428名を対象に調査を行い、得られたデータを因子分析し信頼性、妥当性を検討した。その結果、最終的に質問項目は41となり、「チーム医療の中で看護師が果たす役割と責任の遂行」、「患者が主体的に療養できるための情報の提供」、「患者中心の支援」、「安心して療養できる環境の調整」、「患者や家族の状態を予測した支援」、「人間性豊かな関わり」、「意思の疎通」の7因子で構成されていた。その内的信頼性係数αは0.930~0.717、固有値は5.265~1.914、累積寄与率は52.109%であり、測定具としての信頼性、妥当性はほぼ確保されていた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007