発行日 2010年11月20日
Published Date 2010/11/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2011050625
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
研究目的は、がん専門病院に勤務する看護師のストレス因子と情動的状態の関係を明らかにし、がん患者の看護に携わる看護師への支援を検討することである。対象はがん専門病院の看護師で、149名分をストレス因子分析に用い、ストレス因子とPOMSの分析には136名(65.3%)を対象とした。先行研究を基に作成したストレス58質問項目の調査票と、POMS(Profile of Mood States)検査用紙を用いた。ストレス調査票の因子分析結果、55項目6因子を抽出した。ストレス因子とPOMSの関係は重回帰分析(有意水準5%未満)を用いて分析した。結果、6因子すべてが平均点数3点以上で、医師とのかかわりが4.12点と高く、POMSの結果は疲労が平均点数61点と高かった。対象者の背景とストレス因子では、年齢、婚姻状況、がん看護経験年数と勤務部署間に相関関係を認めた。ストレス因子とPOMSでは、緊張-不安、抑うつ-落ち込み、混乱で自分自身と関係し、敵意-怒りは同僚・上司とのかかわりと、疲労は環境と関係が認められた。自分自身へのストレスには、自己効力感の向上を図り、怒りが強い場合はコミュニケーションのズレを改善し教育的かかわりが必要である。また、環境と疲労の関係や勤務体制の要望内容から、夜勤人数や業務内容の見直しが必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010