発行日 2006年7月20日
Published Date 2006/7/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2006318740
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がん化学療法により易感染状態にある患者への入浴,シャワー浴実施に関する看護師の判断行動の実態を,全国の205施設の大学病院,地域がん診療拠点病院に勤務する看護師1,025名を対象に,2003年2-3月に質問紙郵送法により調査した.回収率は44.5%で,分析対象とした437名のがん化学療法病棟での経験年数は7.4(±4.3)年であった.易感染患者の清潔ケアについて「入浴・シャワー浴が可能」と看護師が判断した上で「医師に相談する」者は81.1%で,相談理由は「判断に自信はあるが最終判断を仰ぐため」が75.3%であった.また,相談した者のうち67.1%が医師から入浴・シャワー浴を反対されていた.一方,医師に相談しない理由では,「病棟に看護基準があるため」が最も多かった(50.6%).入浴・シャワー浴を制限する白血球数(/mm3)は,「白血球数では制限しない」が最も多かったが,続く回答数は3,000から500以下までばらつきがみられた.清潔ケアに関する看護基準を有する病棟看護師の多くが,医師に相談していないことから,看護基準の確立と普及が看護の自律を促進する一助となっていることが示唆された
©Nankodo Co., Ltd., 2006