発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007085029
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52歳男。頸部痛、左上肢痛を主訴とした。頸椎単純X線像にてC6椎体の圧潰を認め、精査にてT1N0M1、stage IVの肺癌および脊椎多発転移と診断された。姑息的手術として後方除圧固定術を施行し化学療法を施行したが、腫瘍マーカー、原発巣のサイズは改善しなかった。初回手術より4ヵ月後にはC3~C6椎体の圧潰が進み頸部痛が増悪したためC2~C7の前方固定術を追加したが、頸部痛が再燃し骨破壊および原発巣の進行を認めたためゲフィチニブ内服を開始した。内服開始1ヵ月後に疼痛は軽減して独歩可能となり、3ヵ月目には頸椎の増殖性の骨硬化像および原発巣の改善を認めた。ゲフィチニブによる間質性肺炎の併発のため全経過2年で死亡したが、ゲフィチニブ投与中は疼痛および日常生活動作の改善を認め、長期予後が得られた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007