慢性疾患となった骨髄腫-どのように診断するか? どのように付き合っていくか? 一般内科でも必要!骨髄腫患者診療の注意事項
感染症
尾畑 由美子
1
,
高松 泰
1福岡大学病院 腫瘍・血液・感染症内科
キーワード:
ワクチン
,
易感染性宿主
,
ウイルス活性化
,
肝炎-B型
,
抗ウイルス剤
,
抗細菌剤
,
骨髄腫-多発性
,
予防接種
,
予防的抗菌剤投与
Keyword:
Anti-Bacterial Agents
,
Antiviral Agents
,
Hepatitis B
,
Multiple Myeloma
,
Virus Activation
,
Vaccination
,
Vaccines
,
Immunocompromised Host
,
Antibiotic Prophylaxis
pp.923-927
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017361090
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多発性骨髄腫とは,B細胞リンパ球から分化した抗体産生細胞である形質細胞が腫瘍化したものである.異常免疫グロブリンの増加および正常な抗体産生能が低下することから引き起こされる液性免疫不全と,ステロイド使用によるTリンパ球の減少およびNK細胞や樹状細胞の機能低下による細胞性免疫不全,大量化学療法に伴う好中球を含めた血球減少により複合的な易感染性が生じる.治療開始早期の死亡率は10~12.6%,死因は感染症が最多で約50%を占める.bortezomibを使用するときには抗ヘルペス薬による帯状疱疹予防が推奨される.完治が困難な疾患であり,骨髄腫の進行に加えて感染症などの合併症の発症を抑制することが生存期間の延長に重要である.
©Nankodo Co., Ltd., 2017