慢性疾患となった骨髄腫-どのように診断するか? どのように付き合っていくか? 一般内科でも必要!骨髄腫患者診療の注意事項
腎障害
涌井 秀樹
1
1秋田大学 大学院理工学研究科生命科学専攻
キーワード:
骨髄腫-多発性
,
腎臓疾患
,
アルゴリズム
,
アミロイドーシス-腎臓
Keyword:
Algorithms
,
Kidney Diseases
,
Multiple Myeloma
pp.929-933
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017361091
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
骨髄腫に合併する腎病変は多彩であり,単クローン性免疫グロブリン(M蛋白)に起因する病変と,高Ca血症や使用薬剤などに関連する病変に大別される.M蛋白に起因する主要3病型は,軽鎖円柱腎症(いわゆる骨髄腫腎),軽鎖アミロイドーシス,単クローン性免疫グロブリン沈着症(MIDD)である.軽鎖円柱腎症は急性に経過し,尿蛋白の主体は軽鎖M蛋白である.血清遊離軽鎖の測定結果も合わせ,臨床的に診断可能である.軽鎖アミロイドーシスとMIDDは緩徐に進行し,尿蛋白の主体はAlbである.確定診断は腎生検所見による.骨髄腫に対する治療法や支持療法の進歩により,腎障害合併症例での予後改善が期待されている.
©Nankodo Co., Ltd., 2017