認知症1,000万人時代を目前に控えて-最新の診断,マネジメント,そして分子標的治療へ 非Alzheimer型認知症の病態研究の最前線
前頭側頭葉変性症
品川 俊一郎
1
1東京慈恵会医科大学 精神医学講座
キーワード:
MRI
,
変異
,
前頭側頭葉変性症
,
TDP-43 Protein
,
神経病理学
Keyword:
Neuropathology
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Mutation
,
Frontotemporal Lobar Degeneration
pp.243-246
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017338860
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前頭側頭葉変性症(FTLD)は前頭葉や側頭葉前方に病変の主座を置く変性性認知症の総称である.その分類や呼称には変遷があったが,現在では多様な背景病理をもつヘテロジニアスな疾患群とされている.臨床症候群としてbvFTD(behavioral variant FTD),nfvPPA(nonfluent-variant PPA),svPPA(semantic-variant PPA)の3つの類型に大分される.中核となるbvFTDはとくに若年発症例ではまれではなく,脱抑制や常同行動,自発性の低下といった特徴的な行動症状を呈するため,高い介護負担が強いられる.現時点では有効な治療薬が確立されておらず,介護者支援を含めた非薬物的な介入が重要である.
©Nankodo Co., Ltd., 2017