適正な輸液とは何か? 各疾患の輸液
高齢者における輸液療法の考え方
中屋 来哉
1
1岩手県立中央病院 腎臓リウマチ科
キーワード:
栄養状態
,
栄養評価
,
生体機能モニタリング
,
体液
,
投薬計画
,
水-電解質平衡異常
,
目標
,
輸液療法
,
高齢者保健医療サービス
,
共存疾患
,
時間因子
,
医薬品副作用と有害反応
Keyword:
Body Fluids
,
Drug Administration Schedule
,
Goals
,
Health Services for the Aged
,
Monitoring, Physiologic
,
Nutritional Status
,
Time Factors
,
Water-Electrolyte Imbalance
,
Comorbidity
,
Nutrition Assessment
,
Drug-Related Side Effects and Adverse Reactions
pp.75-79
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017288237
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高齢者における輸液療法を考えるうえで,最も重要なことは「何のために輸液をするのか?」ということである.輸液を開始するときに,いつまで続けるのかを考えておく.高齢者の体液量が適正かどうかを判断する際に,一つの指標を盲信してはいけない.多角的な視点から患者を経時的に観察する必要がある.温度,湿度が適切であれば,寝たきり高齢者の不感蒸泄はきわめて少ない.細胞外液を投与し続けると医原性の体液過剰,水電解質異常を引き起こす.急性期の末梢輸液療法が不適切であると,栄養指標が悪化し,回復に時間がかかる.高齢者が消耗しないようにエネルギー,栄養素を考慮した末梢輸液療法を心がける.高齢者にみられる水電解質異常は薬剤性のことが多い.無理に末梢輸液療法で補正しようとはせず,薬剤の中止,食事の調整などによる複合的な補正を試みる.
©Nankodo Co., Ltd., 2017