適正な輸液とは何か? 各疾患の輸液
救急・ICUにおける輸液療法の考え方
柳 秀高
1
1東海大学 医学部内科学系総合内科
キーワード:
ICU
,
救急医療サービス
,
血管収縮剤
,
細胞外液
,
ショック-心原性
,
ショック-敗血症性
,
心機能検査
,
腎機能検査
,
超音波診断
,
輸液療法
,
利尿剤
,
循環血液量減少
Keyword:
Emergency Medical Services
,
Diuretics
,
Heart Function Tests
,
Kidney Function Tests
,
Intensive Care Units
,
Shock, Cardiogenic
,
Shock, Septic
,
Vasoconstrictor Agents
,
Ultrasonography
,
Hypovolemia
,
Extracellular Fluid
pp.81-85
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017288238
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ショックは早急に対処しなければ不可逆的,致命的になりうる病態である.最も多いのが敗血症性ショックであり,心原性ショック,循環血液量減少性ショックが続く.閉塞性ショックは少ないが,認識して特異的な治療を行うことが重要である.ショックでは早期に酸素投与/換気(ventilate/oxygenate),細胞外液型輸液(infuse),血管収縮薬(pressor)投与(VIP)を行うべきである.輸液チャレンジは細胞外液500mLを30分で投与し,輸液反応性がなくなるまで繰り返すのが基本.心機能と腎機能,酸素化に留意しながら行う.原因が特定でき次第,特異的な治療を速やかに行う(敗血症に対する抗菌薬,ソースコントロールや重症肺塞栓に対する血栓溶解,消化管出血に対する内視鏡的止血など).安定したら速やかに細胞外液輸液を減量中止し,必要に応じて利尿薬も用いて「引きに」かかる.
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