増え続けるアレルギー疾患-内科医にできる対策と治療
免疫療法の可能性
下田 照文
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1国立病院機構福岡病院 臨床研究部
キーワード:
アレルギー
,
免疫学的脱感作
,
治療成績
,
近代医学史
,
禁忌(治療)
Keyword:
Desensitization, Immunologic
,
Hypersensitivity
,
Treatment Outcome
,
History, Modern 1601-
pp.1129-1134
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017097369
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アレルゲン免疫療法はアレルギー疾患を長期寛解に導くことの可能な治療法であり,皮下免疫療法(SCIT)と舌下免疫療法(SLIT)がある.アレルギー性鼻炎に対してはSCITとSLITは両方とも有効であるが,喘息に対してはSLITはSCITより効果がやや弱い.アレルゲン免疫療法の有効性として6項目があげられる.a)花粉症およびダニによる通年性アレルギー性鼻炎の症状改善.b)ダニによるアトピー型気管支喘息の症状改善.c)対症治療薬の使用量の減量.d)アレルゲン免疫療法終了後の効果の持続.e)新規アレルゲン感作の予防.f)気管支喘息の発症予防.アレルゲン免疫療法の確実な効果を得るには,最低3年間の治療期間が必要である.SLITによる死亡例は報告されていないが,SCITと同様にアナフィラキシーへの備えは必要である.
©Nankodo Co., Ltd., 2016