増え続けるアレルギー疾患-内科医にできる対策と治療 特殊なアレルギー
職業アレルギー
森川 美羽
1
,
石塚 全
1福井大学 医学部病態制御医学講座内科学(3)
キーワード:
最大呼気速度
,
職業性曝露
,
職業病
,
職業別集団
,
喘息
,
肺胞炎-外因性アレルギー性
Keyword:
Alveolitis, Extrinsic Allergic
,
Asthma
,
Occupational Groups
,
Occupational Diseases
,
Peak Expiratory Flow Rate
,
Occupational Exposure
pp.1107-1113
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017097366
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職業アレルギーは職業中に関連した物質に対する免疫アレルギー反応であり,喘息,過敏性肺炎,鼻炎,皮膚炎などがある.喘息の原因物質は多種類に及び,感作物質と刺激物質に分かれる.主にI型,またはIII,IV型アレルギーによる免疫機序で発症するものと,刺激物質によって誘発されるものがある.刺激性のガス,蒸気などの曝露数時間後に喘息症状を呈するreactive airway dysfunction syndrome(RADS)は刺激物質誘発職業性喘息に含まれる疾患である.職業性過敏性肺炎は,本邦では農夫肺,塗装工肺,キノコ栽培者肺などが知られ,急性と慢性がある.免疫学的機序により,細気管支周囲や肺の間質に肉芽腫形成や線維化を生じる.いずれもまず職業性を疑うこと,詳細な問診が診断には重要であり,治療および予防の基本として抗原回避に努める.
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