肺高血圧症-初期診断・治療・管理のすべて 各肺高血圧症の診断・治療・予後
[1群]肝(門脈)疾患に伴う肺高血圧症
岡野 嘉明
1
1阪和第二泉北病院 内科
キーワード:
Epoprostenol
,
薬物性肝障害
,
肝臓移植
,
心エコー図
,
心臓カテーテル法
,
肺高血圧症
,
門脈
,
Bosentan
,
早期診断
,
門脈体循環短絡症
Keyword:
Echocardiography
,
Cardiac Catheterization
,
Hypertension, Pulmonary
,
Portal Vein
,
Epoprostenol
,
Liver Transplantation
,
Early Diagnosis
,
Chemical and Drug Induced Liver Injury
,
Bosentan
pp.413-417
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016187517
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
肝疾患に伴う肺高血圧症は,WHO分類第1群-4の各種疾患に伴う肺動脈性肺高血圧症に位置づけられ,「門脈(性)肺高血圧症」と表記されてきた.実際には門脈圧亢進自体ではなく,門脈-体静脈シャントの存在が重要と考えられており,肝(門脈)疾患の約5%に合併する.ほかの肺高血圧症と同様に,早期診断でもっとも有用な検査は心エコーであり,確定診断には右心カテーテル検査を要する.内科的治療の基本的戦略もほかの肺動脈性肺高血圧症とほぼ同様であるが,肝移植の適否判断とそれに向けてのPGI2静注(epoprostenol)療法を用いた治療介入を必要とする場合がある点に特異性がある.
©Nankodo Co., Ltd., 2016