発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006153675
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1歳11ヵ月女.麻疹肺炎で入院時に心雑音を指摘された.心エコーで先天性僧帽弁狭窄兼動脈管開存と診断され,心カテーテル検査で90%肺高血圧を認め,手術適応となった.体外循環下に動脈管を結紮し,心停止として右側左房切開で僧帽弁交連切開を試みたが,後尖の肥厚および低形成が著明で狭窄の改善が得られないと考え,16mm人工弁で弁置換術を行った.術後人工呼吸管理を行い,amrinone 8μg/kg/分投与で肺動脈圧は40mmHg前後であったが,第2病日に麻酔覚醒に伴って肺高血圧発作(96mmHg)を認め,再度の鎮静とNO吸入8ppmを開始した.第5病日に肺動脈圧の再上昇を認め,epoprostenol sodium 2ng/kg/分の持続静注を併用した.第8病日に血小板減少のためamrinoneをmilrinone 0.5μg/kg/分に変更し,以後肺動脈圧は徐々に低下した.第13病日にNO吸入中止,第16病日に抜管となり,beraprost sodium内服のみで第57病日に退院した.術後1年で症状は安定している
©Nankodo Co., Ltd., 2006