発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005108050
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膠原病では種々の疾患で肺高血圧症(PH)の合併がみられる.肺高血圧症は症状出現時からの平均生存率がきわめてわるく予後不良の合併症の一つであるとされてきたが,一部の症例では長期生存例もあり,病態により異なる可能性が考えられている.その病態は,特発性肺高血圧症(IPH)に類似しているもの,血管炎を伴うもの,血栓症によるものなど膠原病により固有の病態もみられる.IPHに比べ,膠原病では経過観察中にPHを早期発見および診断が可能である.PHの治療は,基本的には対症療法ではあるが,プロスタサイクリン,endothelin受容体拮抗薬,sildenafilなどの新しい血管作動薬の進歩で,予後の改善が期待される.本稿では,膠原病にみられるPHの病態と診断治療を中心に述べる
©Nankodo Co., Ltd., 2005