いま知っておきたい! 内科最新トピックス (第10章)代謝・栄養
肥満を科学し,臨床に活かす
益崎 裕章
1
,
小塚 智沙代
,
島袋 充生
1琉球大学 大学院医学研究科内分泌代謝・血液・膠原病内科学講座(第二内科)
キーワード:
エネルギー摂取量
,
周期性
,
食品中の不飽和脂肪
,
食欲
,
ライフスタイル
,
中枢神経系
,
報酬(心理学)
,
DNAメチル化
,
食品中のショ糖
,
肥満症
,
エピゲノミクス
,
腸内細菌叢
,
ドーパミン作動性ニューロン
Keyword:
Gastrointestinal Microbiome
,
Energy Intake
,
Appetite
,
Central Nervous System
,
Dietary Fats, Unsaturated
,
Life Style
,
Obesity, Morbid
,
Periodicity
,
Reward
,
Dietary Sucrose
,
DNA Methylation
,
Dopaminergic Neurons
,
Epigenomics
pp.1198-1202
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016044866
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肥満者の脳においては,動脈硬化の進展機構に類似した一連の細胞イベントと慢性炎症が生じている.動物性脂肪に対する依存と,麻薬・ニコチン(タバコ)・アルコール・インターネット・ギャンブルなどに対する依存症の病態メカニズムの類似性が注目されている.動物性脂肪依存の食行動には,脳内報酬系のゲノム修飾(エピゲノム)変化が関与している.エピゲノムの医学と医療は,肥満症診療の新しいアプローチとして発展する期待が寄せられている.太りやすい体質には個人の腸内フローラのパターンが関与している.動物性脂肪や人工甘味料の過剰摂取は太りやすい体質に関わる腸内細菌のグループの割合を増やし,個体をますます太りやすくさせる悪循環を形成している.
©Nankodo Co., Ltd., 2015