いま知っておきたい! 内科最新トピックス (第1章)呼吸器
LC-SCRUM-Japanによる希少遺伝子異常陽性肺がんの遺伝子スクリーニングと治療開発
後藤 功一
1
1国立がん研究センター東病院 呼吸器内科
キーワード:
遺伝学的スクリーニング
,
コホート研究
,
変異
,
肺腫瘍
,
発生率
,
臨床試験
,
組織体間関係
,
私企業
,
c-ret癌原遺伝子タンパク質
,
Vandetanib
,
KIF5B-RET融合タンパク質
Keyword:
Clinical Trials as Topic
,
Interinstitutional Relations
,
Lung Neoplasms
,
Mutation
,
Cohort Studies
,
Incidence
,
Private Sector
,
Proto-Oncogene Proteins c-ret
,
N-(4-bromo-2-fluorophenyl)-6-methoxy-7-((1-methylpiperidin-4-yl)methoxy)quinazolin-4-amine
,
KIF5B-RET Fusion Protein, Human
pp.991-995
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016044815
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遺伝子スクリーニングネットワーク(LC-SCRUM-Japan)では,遺伝子異常を有する希少肺がんの遺伝子スクリーニングを2013年2月より開始し,全国から185施設の参加協力を得て,1,941例が登録され(2015年8月31日現在),現在もスクリーニングが進行中である.本研究は,「有効な治療薬を患者さんへ届けること」を目的として開始したプロジェクトであるが,実際にこの遺伝子スクリーニングによって,遺伝子異常を有する希少肺がんが高頻度にスクリーニングされ,日本における有効な分子標的治療薬の治療開発へ結びついている.本研究のような,公的研究費に基づくアカデミアの研究と,民間企業の連携による遺伝子スクリーニングと治療開発は,今後も明らかになる希少フラクションに対する効率的な治療開発のモデルケースとして大きな期待が寄せられている.
©Nankodo Co., Ltd., 2015