炎症性腸疾患-ファーストタッチから長期マネジメントまで 特殊な状況(病態)への対応
診療において留意すべき他臓器の感染症
濱元 ひとみ
1
,
上村 修司
,
沼田 政嗣
,
井戸 章雄
1鹿児島大学 大学院消化器疾患・生活習慣病学
キーワード:
Isoniazid
,
ウイルス活性化
,
炎症性腸疾患
,
肝炎-B型
,
結核
,
B型肝炎表面抗原
,
副腎皮質ホルモン
,
免疫抑制剤
,
診療ガイドライン
,
結核-潜伏
,
インターフェロンガンマ遊離試験
,
胸部CT
Keyword:
Adrenal Cortex Hormones
,
Hepatitis B
,
Hepatitis B Surface Antigens
,
Isoniazid
,
Immunosuppressive Agents
,
Virus Activation
,
Tuberculosis
,
Inflammatory Bowel Diseases
,
Practice Guidelines as Topic
,
Latent Tuberculosis
,
Interferon-gamma Release Tests
pp.635-639
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016019456
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炎症性腸疾患に対し,副腎皮質ステロイド,免疫調節薬や生物学的製剤(TNFα阻害薬)を用いた免疫抑制療法が行われている.免疫抑制下では,B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎や結核などの重篤な感染症の発症が報告されている.とくに結核については発見が遅れることで患者が重症化するだけでなく,周囲への感染リスクが拡大するおそれがあり,注意が必要である.このような他臓器の感染症を予防するために,免疫抑制療法を行う際にはB型肝炎については「免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドライン」1),結核については「潜在性結核感染症治療指針」2)に準じたスクリーニング・副作用対策を行うことが推奨される.
©Nankodo Co., Ltd., 2015