心臓弁膜症-初期診断・治療・管理のすべて 心臓弁膜症に関連する諸問題 内科医による管理
心臓弁膜症に関連した心不全に対する薬物治療
高濱 博幸
1
,
真田 昌爾
1国立循環器病研究センター 心臓血管内科部門心不全科
キーワード:
Catecholamines
,
Digoxin
,
Dobutamine
,
心臓弁膜症
,
心不全
,
僧帽弁狭窄症
,
僧帽弁閉鎖不全症
,
大動脈弁狭窄症
,
大動脈弁閉鎖不全症
Keyword:
Aortic Valve Insufficiency
,
Aortic Valve Stenosis
,
Catecholamines
,
Dobutamine
,
Digoxin
,
Heart Failure
,
Heart Valve Diseases
,
Mitral Valve Insufficiency
,
Mitral Valve Stenosis
pp.463-466
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015342253
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心臓弁膜症に対する薬物治療の意義:心臓弁膜症治療の根幹は物理的に弁膜症に起因した圧容量動態の異常を解消することにある.すなわち基本的にはその根本的解消を目指し,外科的治療もしくはカテーテル的治療を検討することになる.しかし,そこでより安定した状況を持続させ,あるいは侵襲的治療を前提に,より有利な状況で手術に臨むために患者の血行動態の改善や症状の緩和を図ることが内科的治療の目的となる.各種弁膜症の内科的管理のポイント:本稿では代表的な弁膜症である大動脈弁狭窄症,大動脈弁閉鎖不全症,僧帽弁狭窄症,僧帽弁閉鎖不全症について触れるが,とくに重症の大動脈弁狭窄症や大動脈弁閉鎖不全症,進行性の感染性心内膜炎などの症例では急激な血行動態変化や症状の変化を呈することがあり注意を要する.逆に僧帽弁位疾患,とくに機能的な僧帽弁閉鎖不全では心不全の改善(体液量の至適化)に伴い逆流量や症状が改善する症例をしばしば経験する.そのため長期的なフォローアップや至適な手術のタイミングの判断には注意を要する.大動脈弁狭窄症の薬物治療の難しさ:本稿ではとくに薬物治療選択に難渋することが多い大動脈弁狭窄症に焦点をおいて概説する.
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