アフェレシス療法-新たな100年に向けて 適応となる疾患とその実際
代謝疾患
槇野 久士
1
,
斯波 真理子
1国立循環器病研究センター 動脈硬化・糖尿病内科
キーワード:
ヘテロ接合体
,
ホモ接合体
,
LDL Cholesterol
,
血液成分除去法
,
高リポタンパク質血症II型
,
動脈硬化症
,
治療成績
,
二重濾過血漿交換
Keyword:
Blood Component Removal
,
Arteriosclerosis
,
Hyperlipoproteinemia Type II
,
Homozygote
,
Heterozygote
,
Cholesterol, LDL
,
Treatment Outcome
pp.77-80
発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015260351
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LDLアフェレシスは主に薬物治療が無効な家族性高コレステロール血症(familial hyperchoresterolemia:FH)患者に対してLDL-Cを血漿中より強制的に除去する治療法である.現在,わが国においては単純血漿交換,二重膜濾過法,LDL吸着法が用いられている.LDLアフェレシスはLDL-Cを強力に低下させる以外にも多彩な抗動脈硬化作用をもつことが最近明らかにされてきており,FH患者においても心血管イベントの予防に有効な治療法である.したがってFHホモ接合体に関してはできるだけ早期に開始することが生命予後改善のために必須である.一方,ヘテロ接合体に関しては薬物療法の進歩によりその適応は限られつつあるが,薬剤抵抗性あるいは重症の動脈硬化疾患を有する場合は適応すべきである.
©Nankodo Co., Ltd., 2015