糖尿病治療 通説への挑戦 進化する科学知識は既存の糖尿病治療学に何を伝えたいのか 治療
注射製剤
安藤 恭代
1
,
弘世 貴久
1東邦大学 医学部内科学講座糖尿病・代謝・内分泌学分野
キーワード:
Insulin
,
過食
,
体重増加
,
低血糖症
,
糖尿病
,
強化インスリン療法
Keyword:
Bulimia
,
Diabetes Mellitus
,
Insulin
,
Hypoglycemia
,
Weight Gain
pp.605-608
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015158988
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近年多くの大規模研究により,糖尿病合併症の予防には厳格な血糖管理が必要で,比較的早期からのインスリン導入が有用であることが報告されている.しかし,厳格な血糖管理では,低血糖増加や死亡率上昇も指摘されており,インスリン治療でも,低血糖を生じない血糖管理が重要である.現在は超速効型インスリンと持効型溶解インスリンによる強化インスリン療法が基本となり,低血糖頻度やQOLの改善はみられるが,健常人と同程度のQOLや寿命の確保はいまだ十分ではない.現在,より生理的なインスリン動態を目指して,肝作用型持効型インスリンの開発も進んでおり結果が待たれている.
©Nankodo Co., Ltd., 2015