発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007007040
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51歳女.全身倦怠感を主訴とした.入院時検査所見で高度の肝障害を認め,各種ウイルスマーカー陰性,自己抗体陽性であった.肝生検ではリンパ球を主体とする炎症細胞のグリソン鞘への浸潤が著明であり,自己免疫性肝炎の診断でプレドニゾロン(PSL)開始により肝障害は速やかに改善した.PSL離脱後トランスアミナーゼ値は緩解を維持していたが,4年半後に全身倦怠感・肝障害の再燃を認め,同時に血小板が2.3×10^4まで低下した.血小板結合性免疫グロブリンGは高値であったが,骨髄穿刺所見で骨髄は正形成性であり,特発性血小板減少性紫斑病と診断した.PSL再開により肝障害・血小板減少は速やかに改善したが,副作用のため10ヵ月でPSLを中止した.その9ヵ月後に再度肝障害の再燃と血小板低下を認めたが,PSL再投与により回復し,現在外来にてPSL維持療法を行っている
©Nankodo Co., Ltd., 2006