一般内科外来でみる出血傾向 「ぶつけてないのにアザ!」にあわてない 凝固異常を生じる主な疾患の診断と治療
後天性血友病
日笠 聡
1
,
徳川 多津子
,
澤田 暁宏
1兵庫医科大学 血液内科
キーワード:
止血剤
,
免疫抑制療法
,
アルゴリズム
,
治療成績
,
後天性血液凝固第VIII因子欠乏症
Keyword:
Algorithms
,
Hemostatics
,
Immunosuppression
,
Treatment Outcome
,
Factor 8 Deficiency, Acquired
pp.255-258
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014279912
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後天性血友病は凝固第VIII因子に対する自己抗体が出現し,出血症状をきたす疾患である.症状は皮下出血と筋肉内出血の頻度が高く,ときに致死的な出血をきたす.凝固検査でPT正常,APTT延長,第VIII因子活性低下,VWF活性正常,第VIII因子インヒビターが陽性の場合,後天性血友病と診断する.止血治療は,遺伝子組換え活性型血液凝固第VII因子製剤または活性型プロトロンビン複合体製剤によるバイパス止血療法が主体である.それに加え,インヒビター除去のための免疫抑制療法を診断後ただちに開始する.免疫抑制療法により大部分は寛解にいたるが,一部の症例は出血症状あるいは免疫抑制療法に伴う感染症によって死亡する.
©Nankodo Co., Ltd., 2014