発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014195247
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末梢神経障害類似の症状を呈したprecentral knob近傍の皮質梗塞の2例を経験した。症例1は67歳男で、右手に力が入りにくく、箸もうまく使えなくなった。拡散強調像のMRIで、左前頭葉の運動領野と思われる部の脳溝の奥の皮質に小さな高信号域を認めた。入院約10日後のT2強調像のMRIでは、この部位は脳脊髄液と同程度の高信号を示した。そのすぐ近傍にprecentral knobと思われる構造を認めた。抗血小板薬と理学療法を施行し、症状は著明に改善した。症例2は69歳男で、右第2指から第4指のしびれ感を自覚した。拡散強調画像のMRIで、左前頭葉の運動領野と思われる部の脳溝の奥の皮質に高信号域を認めた。約3週間後のT2強調像のMRIではこの部分はごく小さな高信号を示し、precentral knobと思われる部分に近い部の梗塞と考えた。抗血小板薬と理学療法を施行し、症状は著明に改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014