発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011186230
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80歳女。約2週間前より複視が出現した。初診時に眼球の充血・突出などは認めず、頭部CTでは右基底核にラクナ梗塞と思われる低吸収域を認め、橋部に梗塞などはなかった。T2強調MRIでも橋部に梗塞などはなく、両側上眼静脈の拡張と思われる無信号域を認めた。また、MRアンギオグラフィでは両側内頸動脈周囲の海綿静脈洞付近に静脈とは異なる異常な高信号を認めた。画像所見、および右眼眼窩部にて拍動性の血管雑音を聴取したことから、頸動脈海綿静脈洞瘻の可能性が高いと考えた。当院では血管内手術の設備がなかったため転院し、転院先での血管撮影で頸動脈海綿静脈洞瘻の存在が確認され、大腿静脈経由で海綿静脈洞部の動静脈瘻部のコイル栓塞術を施行し病変は消失した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011