発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013305250
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69歳男。糖尿病、高血圧症、ペースメーカー留置術、脳梗塞(下垂体卒中)の既往がある。皮膚乾燥、性欲減退、体毛脱落、気力体力低下、食欲減退、体重減少が出現し、入院時は動作緩慢で間欠性跛行を認めた。GH及びIGF-Iは著明低値、高中性脂肪血症、下垂体前葉ホルモンでGH、ACTH、FSH、PRL低下を認め、GH分泌刺激試験無反応であった。CTによる脂肪測定では内臓脂肪高値であったが、BMI30kg/m2未満であった。2型糖尿病合併重症成長ホルモン分泌不全症(AGHD)と診断し、QOL、体組成異常、代謝障害の是正、大血管障害の発症予防を目的に、GH補充療法としてsomatropin0.175mg/dayを投与した。直後よりQOLの著明な改善を自覚し、糖尿病に対する運動療法を再開した。12ヵ月後には体格、検査値、血糖コントロール、QOLは改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2013