新しい局面を迎えた肺癌診療
新しいdriver oncogeneと創薬
間野 博行
1
1自治医科大学 ゲノム機能研究部
キーワード:
変異
,
肺腫瘍
,
癌遺伝子
,
新薬開発
,
Sodium-Phosphate Cotransporter Proteins Type IIb
,
Invariant Chain
,
EML4-ALK融合タンパク質
,
ROS1 Protein
Keyword:
Lung Neoplasms
,
Oncogenes
,
Mutation
,
Sodium-Phosphate Cotransporter Proteins, Type IIb
,
Drug Discovery
,
Invariant Chain
,
ROS1 Protein, Human
,
EML4-ALK Fusion Protein, Human
pp.781-784
発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013010648
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・がん細胞の増殖において必須のがん遺伝子「driver oncogene」を同定し、その機能を抑える薬剤を開発することが、がんの特効薬開発の近道といえる。・実際EML4-ALK融合型チロシンキナーゼが肺癌で発見され、その機能を選択的に抑えるALK阻害薬の大成功によって、同様な融合型キナーゼの探索競争が始まった。・われわれを含む複数の研究グループによりRETチロシンキナーゼの新規融合蛋白が肺腺癌の約1%で存在することが明らかになり、またさまざまなROS1融合蛋白が肺癌の約1%にやはり存在することが示された。・ROS1融合陽性肺癌に対するキナーゼ阻害薬の著効例も報告され、これらdriver oncogeneの発見の成果はきわめて短期間のうちに臨床へもたらされようとしている。
©Nankodo Co., Ltd., 2012