発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012364677
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77歳女。佐賀県内で昼・夕食に海産魚の刺身(種類不明)を食した夜に、突然食道から何かが上がってきた感じがして咽喉頭異常感が生じた。2日後の朝も持続したため近医を受診し、喉頭寄生虫症と診断され当科紹介となった。上部消化管内視鏡で左喉頭披裂部に淡い白色で長径約3mmの薄い卵円形の虫体が吸着していた。表面に一対の線状の濃い黄白色部分がみられた。生検鉗子で摘出したところ、約3.5×1.2mmの乳白色の体を伸縮させて移動する虫体であった。摘出後に咽喉頭異常感は消失した。虫体検査では、成虫で十分に発育していないclinostomum complanatumであった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012