急性腎障害(AKI)-概念の確認から、さらなる予後改善を目指して
《AKIと全身臓器》AKIと心臓
北川 正史
1
,
杉山 斉
,
槇野 博史
1岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科腎・免疫・内分泌代謝内科学
キーワード:
生物学的マーカー
,
急性腎障害
,
心腎症候群
Keyword:
Biomarkers
,
Cardio-Renal Syndrome
,
Acute Kidney Injury
pp.423-427
発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012335882
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●心臓と腎臓の機能は密接に関連しており、両臓器障害の関連性は「心腎連関」として注目されている。●Roncoらは、心腎症候群(CRS)を、発症の原因が心臓あるいは腎臓にあるのか、さらに発症が急性あるいは慢性であるのかによって、5つのタイプに分類した。●急性心疾患は、高頻度に急性腎障害(AKI)を合併し、AKIの有無は生命予後と関連し、AKIの進行とともに生命予後は不良となる。●心不全におけるAKIの発症に関しては、近年、腎うっ血の重要性が示唆されている。●逆に、AKIが心機能障害を引き起こすメカニズムの詳細は不明である。●高血圧、糖尿病などは腎疾患、心疾患両者の危険因子であり、同時に障害を起こす可能性が高いため臨床的に注意が必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2012