消化器外科術後合併症の治療
術後腎不全の治療
宗景 絵里
1
,
並川 努
,
花崎 和弘
1高知大学 外科1
キーワード:
Dopamine
,
高カリウム血症
,
高ナトリウム血症
,
術後合併症
,
急性腎障害
,
泌尿器外科
,
分類
,
輸液療法
,
Carperitide
,
血液浄化法
,
Sodium Potassium Chloride Symporter Inhibitors
,
アシドーシス-代謝性
Keyword:
Classification
,
Dopamine
,
Hyperkalemia
,
Hypernatremia
,
Postoperative Complications
,
Urologic Surgical Procedures
,
Sodium Potassium Chloride Symporter Inhibitors
,
Acute Kidney Injury
,
NPPA Protein, Human
pp.11-14
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014069254
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術後の急性腎不全(acute renal failure:ARF)は呼吸不全や消化管出血,敗血症を合併しやすく,その死亡率は高い.現時点では術後ARFの予防効果が確立されている薬物は存在していないが,術前の腎機能障害,高血圧,心疾患,糖尿病,高齢などは術後急性腎障害の危険因子であり,周術期管理において循環血漿量・腎血流量の減少を避けるなどの輸液管理や腎毒性物質の使用制限などが肝要である.ARFを発症した場合には,高カリウム血症,アシドーシス,肺水腫など致死的な合併症の治療を優先し,早期から血液浄化療法を行うことでARFの救命率が改善する可能性がある.今後,術後急性腎障害を予測する血行動態パラメータの具体的な基準の確立,バイオマーカーの検討や,周術期の腎保護効果が期待できる薬物の研究開発がまたれる.
©Nankodo Co., Ltd., 2014