発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012175503
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15歳男。8月にフィリピンのセブ島へ語学留学し、帰国後の夕方より40℃台の発熱と頭痛が出現した。消炎鎮痛薬で一時解熱したが、翌日深夜より再燃し全身倦怠感、関節痛も伴った。入院時の理学所見で項部硬直・後眼窩痛の髄膜刺激徴候が陽性であり、髄液検査で細胞数上昇はなかったがウイルス性髄膜炎を否定できず、輸液療法とaciclovir投与を開始した。2日後も解熱せず髄膜刺激徴候も残存したため、細菌性髄膜炎も考え4日後にceftriaxoneを併用し、白血球・血小板数の著明低下に対して大量グロブリン療法も開始した。その翌日より徐々に解熱し、項部硬直の改善が認められた。入院時に提出した各種感染症検査は全て陰性で、aciclovirとceftriaxoneの投与は中止し、輸液療法で軽快退院した。デング熱を疑って入院中に国立感染症研究所に検体検査を依頼し、血清検体のウイルス遺伝子検査でデングウイルス4型が陽性、抗デングウイルスIgM抗体も陽性であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012