発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012175502
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75歳女。全身倦怠感で受診した際に末梢血で白血球数増加、芽球を指摘され、骨髄像および表面マーカーから分類の明らかでない急性白血病と診断された。患者は化学療法を希望せず、輸血等の対症療法のみ実施する緩和ケアの方針となり紹介入院した。第25病日より発熱、湿性咳嗽、呼吸困難が出現し、胸部X線で両側肺の広範な浸潤影が認められた。重症肺炎と診断し、doripenemとpazufloxacineの投与、methylprednisolone 500mg/dayのステロイドパルス療法を開始した。Hb値は4.6g/dlまで低下し、血小板数も0.1×10^4/μlと著減していたため濃厚赤血球および血小板輸血を行った。また白血球数は800/μlと低下し、著明な汎血球減少状態であった。汎血球減少症は約1ヵ月遷延したが、肺炎の改善後から徐々に回復し、第78病日には白血球数4100/μl、Hb値9.2g/dl、血小板数20.7×10^4/μlと改善した。骨髄所見から血液学的緩解と判断され、約3ヵ月間維持している。
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