いま知っておきたい! 内科最新トピックス (第5章)感染症
国内発生のデング熱にどう対応するか
忽那 賢志
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1国立国際医療研究センター国際感染症センター
キーワード:
デング熱
,
デングウイルス
,
鑑別診断
,
発生率
,
輸液療法
,
病態生理
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Dengue
,
Dengue Virus
,
Incidence
pp.1082-1086
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016044839
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デング熱はフラビウイルス科に属するデングウイルスによる感染症であり,ヤブカ属が媒介する.熱帯・亜熱帯地域で流行しており,本邦でも毎年200名以上が輸入感染症として報告されている.臨床症状は発熱,頭痛,関節痛など非特異的な症状であり,皮疹は発熱時には目立たないことが多い.血液検査では白血球減少・血小板減少が特徴である.診断はNS1抗原やデングウイルスを検出するほか,ペア血清でIgM抗体の上昇を確認することでも診断できる.治療は支持療法が主体である.2014年に海外からの輸入例を発端としたと考えられる国内デング熱の流行がみられ,最終的に162名の報告がみられた.国際化の進む現代ではデングウイルスの国内侵入を防ぐことは難しいが,海外渡航前に予防相談と感染を広げないために早期診断・早期隔離が重要である.
©Nankodo Co., Ltd., 2015