肝癌診療の最前線-知っておきたい診断・治療の新情報
肝細胞癌の治療の開発と現状
田中 喬
1
,
近藤 俊輔
1国立がん研究センター中央病院 肝胆膵腫瘍科
キーワード:
肝細胞癌
,
線維芽細胞増殖因子受容体
,
治療成績
,
Platelet-Derived Growth Factor Alpha Receptor
,
Vascular Endothelial Growth Factor Receptors
,
Sorafenib
Keyword:
Carcinoma, Hepatocellular
,
Treatment Outcome
,
Receptors, Fibroblast Growth Factor
,
Receptor, Platelet-Derived Growth Factor alpha
,
Receptors, Vascular Endothelial Growth Factor
,
Sorafenib
pp.459-464
発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012175486
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・sorafenibが進行肝細胞癌に対し有効であることが示され、肝細胞癌に対する分子標的治療が始まってから、全身化学療法の開発が活発化している。・開発の中心は血管新生を阻害する分子標的治療薬で、その標的としてVEGFRやPDGFR、FGFRなどが注目されている。また細胞内のシグナル伝達経路も標的として注目されている。・現在一次治療の成績の向上を目指して、新たな分子標的治療薬とsorafenibとの比較試験が進行している。・二次治療の開発も進んでおり、birivanibはsorafenib耐性となった症例にも有効であることが報告されている。・分子標的治療薬同士の併用療法や、標準治療との併用療法の臨床試験も進んでいる。良好な成績を示す報告も散見され始めており、今後肝細胞癌の予後の改善が期待される。
©Nankodo Co., Ltd., 2012