大腸癌の最新事情-防止・治癒を目指して
《トピックス》ラジオ波焼灼術(RFA)による肝転移の治療 10年間の成績と今後の展望
椎名 秀一朗
1
,
佐藤 隆久
,
近藤 祐嗣
,
建石 良介
,
五藤 忠
,
小池 和彦
1東京大学 消化器内科
キーワード:
肝臓腫瘍
,
大腸腫瘍
,
生存分析
,
治療成績
,
腹部CT
,
ラジオ波焼灼術
Keyword:
Liver Neoplasms
,
Colorectal Neoplasms
,
Survival Analysis
,
Treatment Outcome
pp.869-875
発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012028868
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・大腸癌肝転移では治療の第一選択は肝切除とされてきた。しかし、切除対象は10~30%であり、切除を希望しない患者も多い。切除後の再発も高頻度である。・当科では大腸癌肝転移にRFA中心の治療を行ってきた。・RFAを実施した大腸癌肝転移151例をみると、高齢(81歳以上が11%)、化学療法failure、肝切除後再発、肝外病変、10個以上の多発病変、心肺疾患合併等、長期生存には不利な症例が多かった。しかし、生存率は5年37.9%、10年23.8%と良好であった。・再発を早期発見し低侵襲治療を繰返すという治療戦略は大腸癌肝転移でも有効と思われる。RFAは治療の選択肢に加えられるべきであろう。
©Nankodo Co., Ltd., 2011