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免疫性血小板減少症(ITP)母体より出生し、第一子、第二子が同様に重篤な新生児受動免疫性血小板減少症を呈した姉妹例を報告した。第一子は、在胎40週2日、出生体重3742g、appropriate for gestational age(AGA)児、Apgarスコア8点(1分)/9点(5分)で出生の女児。母体は22歳より原因不明の血小板数の低値を認めており、妊娠時にITP疑いとされていた。妊娠40週2日に胎児頻脈を認め、絨毛膜羊膜炎および分娩停止のため緊急帝王切開で児娩出となった。ITP母体児として精査加療目的に入院となった。入院後初回の血液検査にて血小板数減少を認めたため、定期的に血液検査を施行したところ、徐々に減少し、日齢5には2万/μLとなった。治療介入基準の3万/μL未満となったため、免疫グロブリン(IVIG)療法1g/kgと血小板輸血16mL/kgを行った。以降の経過は良好で、日齢8には12.4万/μLまで改善したため、日齢11に退院とした。第二子は、在胎38週5日、出生体重3106g、AGA児、Apgarスコア9点(1分)/10点(5分)で出生の女児。既往帝王切開のため、妊娠38週5日に選択的帝王切開にて児娩出となった。入院後初回の血液検査にて血小板数減少を認めたため、定期的に血液検査を施行したところ、日齢1に8.2万/μL、日齢3に10.6万/μL、日齢5に5.8万/μL、日齢6に5.8万/μL、日齢9には3.1万/μLとなった。治療介入基準には入らなかったため、そのままフォローを継続した。経過中、点状出血や粘膜出血は認めなかった。日齢14から徐々に増加傾向となり、日齢20に10.4万/μLまで改善したため退院とした。
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