変わりゆくパーキンソン病診療 早期診断から進行期患者の治療まで
パーキンソン症状の画像診断 MIBG心筋シンチグラフィと脳血流シンチグラフィを中心に
織茂 智之
1
1公立学校共済組合関東中央病院 神経内科
キーワード:
鑑別診断
,
脳循環
,
放射性核種イメージング
,
Iobenguane
,
パーキンソニズム
,
心筋血流イメージング
Keyword:
Cerebrovascular Circulation
,
Diagnosis, Differential
,
Radionuclide Imaging
,
3-Iodobenzylguanidine
,
Parkinsonian Disorders
,
Myocardial Perfusion Imaging
pp.865-869
発行日 2011年5月1日
Published Date 2011/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011189963
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●MIBG心筋シンチグラフィと脳血流シンチグラフィは、パーキンソニズムの鑑別診断のみならず、病態生理を理解するうえで重要な検査法である。●MIBG心筋シンチグラフィは心臓交感神経の機能をみる検査法であるが、パーキンソン病では心臓交感神経の変性により発症早期より心臓のMIBG集積が低下し、心臓交感神経の変性がみられない他のパーキンソニズムとの鑑別が可能である。●脳血流シンチグラフィは神経細胞の機能低下部位を血流低下部位として描出することが可能であるが、パーキンソン病では認知機能の低下が進むにつれ頭頂後部から後頭葉の血流低下が明らかになってくる。多系統萎縮症では小脳の血流低下がみられることがあり、進行性核上性麻痺では中脳と前帯状回、前頭葉皮質の血流低下がみられることが多く、大脳皮質基底核変性症では前頭葉から頭頂葉の非対称性な血流低下が特徴的である。
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