慢性腎臓病 CKDの新たなパラダイムを求めて
CKDの注目すべき病因と病態 危険因子の逆転現象
井関 邦敏
1
1琉球大学医学部附属病院 血液浄化療法部
キーワード:
Cholesterol
,
危険因子
,
血圧
,
骨ジストロフィー-腎性
,
糸球体濾過率
,
タンパク質-エネルギー栄養障害
,
脈拍
,
BMI
,
慢性腎臓病
Keyword:
Blood Pressure
,
Cholesterol
,
Glomerular Filtration Rate
,
Risk Factors
,
Protein-Energy Malnutrition
,
Pulse
,
Chronic Kidney Disease-Mineral and Bone Disorder
,
Body Mass Index
,
Renal Insufficiency, Chronic
pp.258-260
発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011140407
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・慢性透析患者の生命予後は一般住民に比し不良であり、心血管障害(とくに心不全)による死亡が多い。・高血圧、脂質代謝異常者の観察研究では、むしろ生命予後が良好である。・透析患者集団は、栄養不良と栄養過多の患者が混在しているためと考えられる。・栄養過多の患者群では、高血圧、脂質代謝異常群でイベント発症率の上昇が認められる。・大規模介入研究では、LDL低下および貧血の治療による生命予後改善効果が認められなかった。・透析患者は古典的危険因子に加えて、腎疾患関連危険因子および透析治療に付随する危険因子を有し、個々の患者においてはこれらが複雑に関与している。・最大の危険因子は栄養障害である。
©Nankodo Co., Ltd., 2011