胆膵疾患診療の最前線 難治疾患のよりよいマネジメントのために
胆膵疾患のマネジメント-胆膵癌を見据えて 膵・胆管合流異常
河上 洋
1
,
近藤 哲
,
桑谷 将城
,
工藤 大樹
,
大和 弘明
,
浅香 正博
1北海道大学 消化器内科
キーワード:
超音波診断
,
内視鏡的逆行性胆道膵管造影
,
胆嚢腫瘍
,
膵胆管合流異常
Keyword:
Cholangiopancreatography, Endoscopic Retrograde
,
Gallbladder Neoplasms
,
Ultrasonography
pp.432-436
発行日 2011年3月1日
Published Date 2011/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011130048
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・膵・胆管合流異常症(合流異常)は、膵管と胆管が十二指腸壁外で合流する先天性疾患である。・一般的には膵液の胆管内逆流により胆道癌が高頻度に発生することがよく知られている。とくに、胆管非拡張型では胆嚢癌の発生頻度が高い。・近年、合流異常ではないが、5mm以上の長い共通管を有する正常合流例においても膵液の胆管内逆流現象がしばしばみられることが明らかとなってきた。これらは、膵・胆管高位合流(高位合流)とも呼ばれ、高率に胆嚢癌が発生するとの報告がある。・合流異常や高位合流に特異的症状はないが、腹部超音波検査により胆嚢壁のびまん性の内側低エコー層肥厚をみた場合、これらの疾患の存在を疑いさらなる精査を行うべきである。
©Nankodo Co., Ltd., 2011