発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2004126380
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74歳女.体重減少,全身倦怠感を主訴とした.血算で軽度の血小板減少を認めた.TSHは測定感度以下で,甲状腺機能亢進状態であった.原因はバセドウ病によるものと診断し,前医からのpropylthiouracil(PTU)100mgの投与を継続した.TSHの上昇がみられたため,PTUを50mgの隔日投与とした.4ヵ月後,突然血小板減少と肝障害,白血球減少が出現した.PAIgGは著明高値,骨髄穿刺でも骨髄低形成を認めたが,巨核球周囲の血小板付着像の消失は認めており,特発性血小板減少性紫斑病に相当する所見であった.薬剤の影響も疑われたため,PTUを中止した.中止後,血小板,白血球は速やかに上昇したが,血小板数は80000/μl以上にはならなかった.甲状腺機能はPTUの中止により再度亢進状態となったため,甲状腺機能コントロール後,131Iによるアイソトープ療法を選択した.PAIgGは依然高値ではあったが低下し,血小板数も90000/μl前後と再度減少することなく経過している
©Nankodo Co., Ltd., 2004