増加するアレルギー疾患 内科医にとっての最良のアプローチとは
増加しつつあるアレルギー病態への理解と対応 ラテックス-フルーツ症候群と花粉 食物アレルギー症候群の機序と対応
矢上 晶子
1
,
松永 佳世子
1藤田保健衛生大学 医学部皮膚科学
キーワード:
交差反応
,
花粉症
,
コナラ属
,
口腔アレルギー症候群
,
ラテックス-果物症候群
Keyword:
Cross Reactions
,
Rhinitis, Allergic, Seasonal
,
Quercus
pp.589-593
発行日 2010年4月1日
Published Date 2010/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010137775
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ラテックス-フルーツ症候群(LFS)や花粉症に伴う食物アレルギー症候群(PFAS)では、感作の成立段階(ラテックス手袋や花粉)と症状の誘発段階(野菜や果物)に別々の蛋白質抗原が関与し、両蛋白質抗原が交叉反応性を有することにより即時型アレルギーが誘発される。LFSの場合、ラテックスアレルギーの主要抗原であるヘベイン(Hev b 6.02)とクリやアボカド、バナナなどに含まれるN末端部にヘベイン類似ドメインを含むクラスIキチナーゼとの交叉反応が有名である。PFASは、症状を引き起こす主な食物抗原が、熱や消化酵素に対して不安定な蛋白質であることから新鮮な果物や野菜が誘発原因になると同時に症状が口腔周辺に限定されると推測される。LFS、PFAS患者への対策としては、原因物質の接触や摂取の回避がもっとも大切である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010