高血圧診療の最前線 最新の戦略と今後の動向
高血圧診療の将来展望 メタボリック症候群とRAS阻害薬の有用性
佐藤 哲子
1
1国立病院機構京都医療センター 臨床研究センター
キーワード:
高インスリン症
,
脂肪組織
,
臨床試験
,
Ramipril
,
酸化ストレス
,
多施設共同研究
,
Losartan
,
Telmisartan
,
メタボリックシンドローム
,
Adiponectin
Keyword:
Adipose Tissue
,
Clinical Trials as Topic
,
Hyperinsulinism
,
Multicenter Studies as Topic
,
Ramipril
,
Oxidative Stress
,
Losartan
,
Metabolic Syndrome
,
Adiponectin
,
Telmisartan
pp.469-475
発行日 2010年3月1日
Published Date 2010/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010124051
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近年、RAS阻害薬において降圧効果以外に、インスリン抵抗性の改善、アディポネクチンの増加や脂肪、筋肉や膵臓などの臓器保護作用に関する成績が報告されている。一部のアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)では、選択的PPARγ活性化作用も報告されている。心血管リスクの高い症例を対象とした大規模研究においては、RAS阻害薬の心血管イベント発症や新規糖尿病発症の抑制に関する有用性が示された。メタボリック症候群(MetS)においては、RAS阻害薬のbeyond blood pressure lowering effectが重要と考えられ、MetS合併高血圧を対象とした大規模研究や各薬剤の特性に関するEBMの蓄積が期待される。
©Nankodo Co., Ltd., 2010