発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009138561
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41歳男。約3年前に関節リウマチに罹患し、1年前よりmethotrexate(MTX)の内服を開始して腰部、右下肢のしびれを伴う右下腹部痛で前医受診し、腹部超音波で腹腔内腫瘤を指摘され当院紹介受診となった。右下腹部に鵞卵大で表面平滑な弾性軟腫瘤を触知し、造影CTで骨盤内に軽度造影効果のある腫瘤および腹部傍大動脈領域から右内腸骨動脈を取り囲むようにリンパ節腫大を認めた。FDG-PETで右骨盤腔内腫瘤、腹部傍大動脈リンパ節、左頸部、左腋窩に集積を認めた。腫瘤摘出術を施行し、病理所見より腫瘤は腫大したリンパ節で、散在性に大型のHodgkin様細胞を認め、EBV陽性よりMTX関連リンパ増殖性疾患(MTX-LPD)として発症した結節硬化型Hodgkinリンパ腫・臨床病期IIIAと診断した。MTXを中止したが中止後4ヵ月に右下腹部痛が再出現し、病変の増大を認めたためABVD療法を開始し、4コース施行後に完全寛解を認めたが2コースの追加治療で終了した。現在再発は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009