日常診療で診る感染症 この疾患を見落とすな
よく見かける感染症 診断・治療の最新事情 伝染性単核球症
安川 正貴
1
1愛媛大学 大学院医学系研究科生体統御内科学
キーワード:
ヒトヘルペスウイルス4型
,
血清学的検査
,
ウイルス抗体
,
伝染性単核球症
,
キラーT細胞
,
造血幹細胞移植
,
Epstein-Barrウイルス感染症
Keyword:
Antibodies, Viral
,
Herpesvirus 4, Human
,
Infectious Mononucleosis
,
Serologic Tests
,
T-Lymphocytes, Cytotoxic
,
Hematopoietic Stem Cell Transplantation
,
Epstein-Barr Virus Infections
pp.846-848
発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011021865
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・伝染性単核球症は、Epstein-Barr(EB)ウイルスの初感染によって発症する疾患である。・経過中、末梢血に単核球(リンパ球)が増加することからこのような名称がつけられている。・増加する異型リンパ球は、主としてCD8陽性EBウイルス特異的細胞傷害性T細胞である。・臨床症状は、発熱、リンパ節(とくに頸部リンパ節)腫脹、急性扁桃炎、肝障害、肝脾腫、皮疹などである。・同様の症状は、ヒトサイトメガロウイルスなどの他のウイルス、リケッチア、トキソプラズマ感染、薬剤アレルギーなどでも認められるので、これら疾患との鑑別が必要である。・通常、対症療法のみで軽快する。・ampicillinは重症の薬剤アレルギーの危険があり、禁忌とされている。
©Nankodo Co., Ltd., 2010