発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010107286
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
72歳女。脊髄小脳変性症(SCA6)の診断で2000年よりacetazolamideを内服し、ADLは家中で伝い歩き可能だが車椅子生活であった。10ヵ月前の網膜の出血から汎血球減少症が判明して重症の再生不良性貧血と診断された。ciclosporin、metenoloneを内服するが反応性が乏しく、濃厚赤血球、血小板輸血の繰り返しで安定を認め退院した。3日後に硬膜外血腫を指摘され当院入院となった。構語障害、両側注視方向性眼振、滑動性眼球運動障害、四肢・体幹失調、立位保持不能であった。汎血球減少を認め、脳CTでSCA6に矛盾しない小脳半球主体萎縮と右小脳上部、右前頭葉に出血、左前頭葉に硬膜下血腫を認めた。濃厚赤血球、血小板輸血を実施し、acetazolamideを中止してtaltiretin内服を開始した。失調症状に著変はないが下肢脱力、平行棒内での起立歩行は改善し、2週間後の脳CTで出血性病変は縮小し、入院42日後に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2010